自然放射線の飛跡の観察

霧箱の中に全く放射線源を入れなくても多くの飛跡を観察することができます。これはすべて自然放射線の飛跡です。この飛跡から放射線の種類を特定することは大変難しいことですが、およその判断をすることができます。
■α線の観察
太く、直線的で、数センチの長さの飛行機雲のような飛跡
アルファ線 太く、直線的な数cmの飛跡がα線の飛跡です。
主に空気中のラドン222という気体から放出されます。普通は1本の直線的な飛跡ですが、まれにV字型など2本に分岐した飛跡を見ることがあります。これは同じラドンの仲間(「同位体」という)であるラドン220から出たものだろうと考えられます。しかし放射性元素がα線やβ線を出す時間的な変化は必ずしも一定ではないので、あくまで半減期に基づく確率的な判断です。
■β線の観察
細く、ジグザグに曲がった、縮れ毛のような飛跡
ベータ線 細く、縮れた髪の毛のように見える飛跡がβ線の飛跡です。
 β線は霧箱内の気体分子(窒素や酸素)やアルコール分子などに比べて質量が非常に小さいため、これらにぶつかるたびに進路を曲げながら進むため、ジグザグな飛跡ができます。空気中の放射性元素から出るβ線もありますが、宇宙線の中のエネルギーの強いγ線などによって、その通り道にある原子から電子がたたき出されてβ線の飛跡として観察される場合もあります。
■γ線の観察
γ線は飛跡を作らないが、γ線によって叩き出された2次電子線(β線)の飛跡として観察される
ガンマ線 γ線は電磁波であり、霧箱で飛跡を直接観察することはできません。しかしγ線の通り道の原子からたたき出された電子線(2次のβ線)として観察されます。
■宇宙線の観察
長く直線的に飛ぶもの、ジグザグに折れ曲がるものなど、いろいろな形状の飛跡がある
宇宙線 宇宙線とは宇宙から降り注ぐ原子核や素粒子です。このうち霧箱ではミューオン(電子のおよそ200倍の質量を持ち、プラスまたはマイナスの電荷を持つ)の飛跡や、γ線(の通り道の原子から叩き出されたβ線(2次電子線))の飛跡を見ることができます。
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