私たちは宇宙から来る宇宙線を浴びると共に、地面の岩石中にわずかに含まれるウランやトリウムが、崩壊の過程で希ガス放射性物質ラドンとなって空気中に浮遊している放射性物質を呼吸しています。この放射性物質を濾紙に吸着させ、そこから出る飛跡を霧箱で観察してみましょう。
準備:1 ダストサンプラーの製作 |
本格的なダストサンプラーもありますが、掃除機で十分代用できます。 500ml入りのペットボトルを肩口で切り取り、飲み口がある方の切り口にネット(台所用品の水切りネットなど)をかぶせ、輪ゴムでとめます。ネットにダストサンプラー用フィルター(理科教材店にある、ろ紙やティッシュペーパーでも代用できます。)を置き、ペットボトルの飲み口を掃除機のホースに差し込みます。 このとき、ペットボトルにいくつかの空気穴を開け、掃除機のモーターに負荷がかかり過ぎてモーターが過熱することを避けます。 |
準備:2 ダストサンプラーの設置 |
1~2日間空気の入れ替えがなく、しかも壁面がコンクリートやコンクリートブロックがむき出しの部屋(雑庫や機械室など)で掃除機を1~2時間運転し、コンクリート中の岩石から崩壊して出てきたラドンをフィルターに吸着させます。
実験:フィルターの霧箱内への挿入 |
フィルターを適度な大きさに切り、霧箱の底に張り付かないように小さなスタンド(ゼムクリップを曲げて作ります)に立てて霧箱内に置きます。フィルターに吸着したラドンから出るα線の飛跡が観察できます。